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円盤型水中ビークル BOOMERAN
(本テーマは更新中です)
DBFアンテナLABモデル開発裏話
大きなシステム開発の実例です。
いろいろな経緯から、2年近くの歳月を費やしました。
実はDSPボードの不良でロサンゼルスまで出張しました。
そのとき、この装置の本体とDSPボードをハンドキャリーという無謀な手法をとり、
成田で一悶着さらにLAXでまた引っかかり、やっとDSPボードメーカーに持ち込んだ
などと、開発終了まで言い出せないようなことがたくさんありました。その度にストレス
で寿命が10年は縮んだ(余命はマイナス?)思いでした。
そして、この仕事から学んだことは、「やればできる」でした。
(他には何もなっかた?爆笑)
なにはともあれ、当社には大きな実績と経験となりました。
そして、お客様より公開のお許しが出ましたので公表します。
システム名:次々世代DBFアンテナ制御装置
構 成 :TMS320C6201(200MHz)×15 (米国製DSPボード使用)
リアルタイムFFT基板 (当社にて開発:実績のページを参照下さい)
データ転送用インターフェイス (同 上)
16ch/12bit AD アンテナ入力インターフェイス
性 能 :4MHzサンプリング入力
リアルタイムフィルター処理
リアルタイムRLS処理
検証用ダミーデータ発生回路内蔵(M系列,SIN,矩形波)
リアルタイム処理以外にバッチ動作モードあり
(入力、FFT結果、フィルター定数、出力値保存可能)
各種新聞記事(産経、日経、読売、日刊工業各紙)
当装置完成に合わせて発表された新聞記事です。
他にも業界紙などをあわせて5紙に発表されました。
技術者としては苦労の甲斐があったと満足しています。
以下は、この仕事でロサンゼルスから帰った後に載せた手記です。
現在進行中の仕事の関係で、10日間程アメリカ(ロサンジェルス)に行って来ました。
渡米の理由は、購入したDSPボードのアップデート(何だかソフトウェアみたいだけど彼らは
こう呼んでいる)と、PCIバックプレーンとの相性問題の解決です。
仕事の方はメーカーの積極的な協力で解決しました。
滞米中に感じたことは、「米国の技術者はよく働く!」の一言です。
訪れたメーカーがベンチャー企業ということもあるのでしょうが、実によく働きます。
朝の出勤はサマータイムであることを考慮しても早く、社長は4時頃から、その他の技術者は
6時頃から仕事を始めます。退社時間は夕刻6時頃から帰る人が出始め、遅い人は8時頃まで
粘っています。 日本人が働き過ぎと避難を浴びせたのはどこの国だったか?と思います。
ちなみに私はメーカーからの要請で10時から作業(確認?)の社長出勤でした(うるさいから
早く来ない方が良かったのかも...)。
なにはともあれ、今回の渡米でメーカーの好意的な対応と問題解決の成功で気をよくして
帰ってきました。
当社のポリシー: 技術屋バカ
私たちの信念は「理解していない仕事はするな」です。
だから、新しい仕事の引き合いがくると大騒ぎ。なにせ発注者と同じレベルで
話し合いができるまで調査・理解をしなければならないからです。
最近も、新しい引き合いがあり、適応信号処理の教科書を引っぱり出して発注者が
何を要求しているのか夜な夜な勉強をした始末です。
同じような仕事をしている会社では、得意分野を絞って効率よく仕事をこなしているよう
ですが羨ましい限りです。
これからの世の中、どちらが良いのかじっくり考えて見る必要があるようです。
と言いながらも、新しい引き合いが出てくると、そんな考えは投げうってせっせと
勉強に勤しんでしまうのが現実です。
これを技術屋バカと言うのでしょうか?(某社担当曰く、「立派な見本でしょう」)。